【新刊情報】壊国の契約 NAFTA下メキシコの苦悩と抵抗(農文協)

 1992年に北米自由貿易協定を結んだメキシコでは、安いアメリカ産コーンの大量輸入と食卓の支配、遺伝子組み換えコーンによる遺伝子汚染、開発による農外就業の広がり、アメリカへの出稼ぎやビザなし移民の急増など、国民の食や農村の暮らしが危機的状況に。
 だが、人々は自由貿易コーン体制に一方的に支配されているばかりではない。メキシコの農村と文化を守り食料主権の確立を目指す「トウモロコシの擁護のために反GM連盟」の運動が全国的レベルで展開し、在来種の小規模トウモロコシ生産が高齢者により生活のための保険として根強く続けられている。
 メキシコの主穀トウモロコシは日本の米と同じ位置にある。NAFTA下メキシコの20年にわたる苦労としたたかな抵抗は、TPP問題に揺れる日本に警鐘を鳴らし、大いなる示唆を与えてくれる。(農文協通信より)

<著者>
エリザベス・フィッティング(Elizabeth Fitting)
カナダの文化人類学者。ダルハウジー大学人文社会科学学部の社会学・社会人類学助教授。

里見実(さとみ みのる)
1936年生れ。元国学院大学教員(1965―2007年)。主として教育・学習理論と中南米文化・演劇運動にかんする著作・翻訳に従事。

<目次>
●序論 国産トウモロコシのためのたたかい

●第1章 遺伝子組み換えトウモロコシとその専門家たち
 ─トウモロコシ発祥の地で拡散するGM遺伝子 専門家だけにまかせてよいのか?
●第2章 コーンとハイブリッド国民
 ―メキシコの歴史と文化に深く根ざしたトウモロコシ農業 議論はどう展開してきたか?
●第3章 地域社会と内部対立
 ─コミュニティと水利組合と国家の関係を水利をめぐる抗争史からみる
●第4章 農村の再形成
 ─危機への農民的対応としての出稼ぎ・移住と、トウモロコシ農業のゆくえ
●第5章 カンペシーノ、いまでは移民労働者とマキーラ労働者に? 
 ─農業への関心のうすれと、土地に根ざした暮らしのアイデンティティの問題



【関連書籍】
■恐怖の契約 米韓FTA─TPPで日本もこうなる
http://antitpp.at.webry.info/201208/article_9.html
■異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ
http://antitpp.at.webry.info/201107/article_1.html