「TPPに反対する人々の運動」

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zoom RSS TPPから見える風景 −日欧EPA“大枠合意”の風景−

<<   作成日時 : 2017/07/07 21:31   >>

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TPPに反対する人々の運動
近藤康男

秘密性、日欧どうしてこんなに違うのか?!

この原稿を書いている7月6日、欧州時間の6日の首脳会談で“大枠合意を宣言”することが確実とまっている。

この2〜3週間、新聞紙上では連日“大枠合意を目指す”、“(日本側)譲歩の方向で検討”などの言葉が躍っている。

しかし、私たちには、政府からの情報は外務省が交渉会合の度に公表する箇条書き4行ほどの情報と、このところ閣僚級の会合等について箇条書き3項目2行程度のモノが加わった程度だ。与党の幹部議員が迫っても交渉状況の説明は一切ない。保秘義務契約を課せられたTPPと比べても雲泥の差だ。

EUでは交渉開始前から膨大な分析資料、EU議会や市民への情報提供が行われている。米国同様、そもそも立法府が協定や交渉の方向性を指示する仕組みだ。市民への説明会・対話集会も行われてきた。その中に、今年5月18日に更新された協定内容と及び交渉に係る「文脈」、「内容」、「影響(利益と懸念)」、「交渉経過、承認手続き」を含む36項目、10数ペ−ジのQ&Aあるいはポジション・ペ−パ−的な資料がある。  

リンクは⇒
http://ec.europa.eu/trade/policy/in-focus/eu-japan-free-trade-agreement/agreement-explained/


投資家対国家間紛争処理を先送りする“大枠合意”を政府はどうするのか?
日本では”大枠合意“、EUでは常に”政治的“という修飾がされ、直近では、“Political Agreement in Principle”という表現が目立っている。G20首脳会議を控え、“政治的”メッセ−ジとしての意味合いは期待通りだろうが、今後に詰めを残した課題も多いようだ。7月5日のEUの貿易専門紙Borderlexは、交渉筋の話として、仕事はこれからだ、サービス(条文未だ)、デ−タ流通、公共調達の具体的市場開放範囲など、そして投資紛争処理は仕組みの姿もハッキリしない、と伝えている。

上述した文書で投資・紛争処理の双方に触れている箇所が2つある。一つは“この協定は投資を促進できるのか”という懸念に対する回答の中に、「EUは投資保護と紛争解決に対して今後締結する全ての協定において、投資法廷という新しい方法を統合する決意でいる“とある。もう一ヶ所は“EUが、独立した公正な司法制度を持つ日本との協定で投資法廷を求めるのは何故なのか?”という問いだ。EUは“この仕組みは、高度な資格を持つ判事と透明性のある活動で持って公的・国際的な投資法廷を確立することに繋がる”とし、“この国際投資法廷は膨大な数の2国間投資協定やFTAに盛り込まれた私的な仲裁にとって代わるものだ”、と堅い決意を込めている。(日本語は英語からの抄訳)

そして日本が相変わらずTTPP型のISDSに拘っているため、“大枠合意”で先送りされたようだ。EUの市民団体は投資法廷も不充分で実効性がないと批判しているが、それでもTPPよりはマシかもしれない。日本は果たしてこの断固たるEUのスタンスを前に、先送りしてどうするのだろうか??

おまけに投資を含む章はただでさえEU各国の反対が強いうえに、(同じ文書の最後に)承認手続きとして、“欧州議会・加盟国政府・加盟国の議会+(一部の国では)加盟国の地方議会の承認が必要”となっている。欧州司法裁判所の判決でもある。TPP型のISDSでは承認は難しい。

しかし、EUは市場アクセスでは強欲そのもの、日本は譲歩の連鎖だ
上述のように詰めの残されている公共調達もTPP以上の譲歩が懸念される。

公共調達は、政府機関や公有企業のサービス・物品の調達であり、地域の経済との関連も強い。TPPで入札参加を開放したのは、中央政府の機関(官庁など:15章の附属書A節)、地方自治体(県と政令指定都市:15章の附属書B節)、その他の機関(15章のC節のA群とB群)による一定金額以上の調達である。「その他の機関」には、政府が公表したTPPでの国有企業、実質的に国有企業の定義に合致し得る政府出資の株式会社・独立行政法人が含まれる。JR、郵政グル−プ、国立病院機構、国立大学法人なども含まれている。

過去の日欧EPA報道でも、地方大学、公立病院、多くの独法・中核都市。市町村などTPPでは対象となっていない機関にまで譲歩している可能性を示唆している。(16年7月16日及び12月14日付け日経)。

私は公共調達における透明性不要論にも外国資本排斥論にも組みしない。しかし、もしかしたら、日欧EPAでは、公契約条例などの地域政策が制約を受け、地元企業が排除されやすくなることが懸念される。更に“入札という透明性”を通じ、TPP以上に多くの公有企業・機関が、公共調達において商業ベ−スでの事業を強制されることが避けられないと思われる。
(Jacom掲載原稿から許可を得て転載)

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