「”足元でTPPとたたかう”  TPPに反対する人々の運動」年次寄り合いでシンポ

 2015年を振り返る「TPPに反対する人々の運動」の年次寄り合いは、3月8日13時半からのアジア農民交流センタ-と共催のシンポジウムから始まりました。そして17時~19時の時間で定例の年次寄り合いを開催し、大詰めをむかえつつあるTPP,更には4年間続く安倍政権とどう向き合うか活発に議論をしました。
 
 毎年寄り合いには約40名の会員、賛助団体関係者、TPP反対で協力関係にある団体が出席されますが、共催ということもあり、今回は50名を超える参加がありました。「人々の運動」は地域や現場に根拠を持つTPP反対の運動

、幅広い陣形と国際連帯を柱とする反対運動を大切にしてきました。シンポジウムは、テ-マを「足元でTPP体制とたたかう」とし、TPPの先取りあるいはTPPを超える安倍政治が地域の暮らしの現場や職場にどのような形をとって現れているのか、あるいは現れようとしているのか、4人の方から報告と問題提起をいただき会場との意見交換の時間も少し取ることができました。

 ★山形・小国の「共生の村づくり」(川崎吉巳さん)
 ★東京・山谷の「企業組合あうんの取り組み」(中村光男さん)
 ★労働者の戦い「郵政産業労働者ユニオンの運動現場から」(須藤和弘さん)
 ★国益の大声に消されそうな“生きる権利”(西沢江美子さん)
   司会:「TPPに反対する人々の運動」世話人:大野和興

 TPPという言葉がなかなか出ない中山間地の村で、農家と地域の未来を模索し、田舎の魅力を見つけ、提案・発信しようと語る川崎さん。これまでの農政も今地域に降りかかってきている農政改革も機能していないとして、地域に足をおいて仲間と共に農と食に取り組んできた。地域の声を町に、そして町の向こうへと発信していこうと、おぐに農政フォ-ラムの開催にも関わった。

 長年山谷の日雇い労働者の自立支援に関わってきた中村さんは、その間の山谷の変化、そこに住む、あるいは住む家の無い、高齢化して生活保護に行きつく、あるいはそこへも行けない労働者に寄り添って戦ってきた人だ。被ばく労働者支援にも取り組む。現在取り組んでいる「企業組合あうん」は、2002年リサイクルショップとして出発した、行政にも頼らない、企業にも支援にも頼らない、一人ひとりが主体となり互いが助け合う自分たちの手による仕事づくりの協同組合だ。当事者に寄り添い伴走し、当事者とその抱える問題を自らが社会に可視化していくことが必要だと、力強く語る姿が印象的だった。

 郵政産業労働者ユニオンで書記長として活動する須藤さんは、まず今農協改革・医療改革と3点セットで掛けられている労働法制に対する超党派のネットワ-ク戦いを語った。いみじくも残業代ゼロ法案、改悪労働者派遣法、首切り自由法案と呼ばれている。郵便職場では、非正規の内勤の非営業職にも営業ノルマが振り分けられているというような、新聞に報道されていない様々な締め付けが横行していると言う。その中で非正規社員の正規化と均等待遇を求める戦い、勝てる分野に的を絞ろうと労働者契約法20条(有期であることによる不合理な労働条件の禁止)に基づく提訴、ユニバ-サルサ-ビス拡充の戦いなどに取り組んでいる

 西沢さんからは、地域で生きる権利としての社会福祉が壊れつつあることが紹介され、しかしそんな中自分たちで生きる仕組みを地域で作る取り組みの必要性が訴えられ、いくつかの事例が紹介された。地域独自の食管制度、お年寄りのための最低生活保障の仕組みや医療など地域で行われていること、伝統食や工芸品など失われた手仕事をよみがえらせた女たちの取り組みだ。

 いずれも具体的な実践が語られたシンポジウムで、会場との質疑応答も、地域で何が起きつつあるのか、今の安倍政治が暮らしや労働や地域に何をもたらしつつあるのかなど、活発に行われた。