連続講座に約30名が参加─山形からの対抗軸「置賜自給圏構想」

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「TPPに反対する人々の運動」連続講座 「すでにはじまっているTPP!!」第3回が去る11月29日に開催されました。テ-マは「TPPに対抗する置賜自給圏構想について」。講師は「人々の運動」の共同代表としてTPP反対の運動の先頭に立ってきた山形の百姓菅野芳秀さんでした。約30名の参加者が集い、活発で楽しい議論が展開されました。

※置賜自給圏推進機構のホ-ムペ-ジは下記の通り
 http://www.okitama-jikyuken.com/


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低米価への悲鳴、しかしそれは村を挙げての声にはもうならない

 本題に入る前に菅野さんからは、是非これだけは言っておきたいとばかりに、今年度産米の極端なまでの低米価について悲痛な訴えがありました。13年の山形の生産費が概ね14000円に対し、今年は加算金を加えても1万円を上回るかどうか。この間生産原価割れが続いている中での今年の低米価で、米を作る人がまた増えるだろう。しかし引き受けては出てくるだろうか?借金をして規模拡大を図ろうにもそれで経営が維持できるだろうか?  
 仮に農地の集積がされても、作り人が現象するにつれて、米の問題は一部の人の問題であって、以前のように村全体の問題にならないのだ。社会問題にならない時代になってしまった。

難局にこそ対案を!方策は、地域の主人公たる自分たちが作るしかない

 TPP粉砕は最後まで戦うべきだが、自分たちの居場所を死なせる訳には行かない、何処が悪い、誰が悪いというだけでは始まらない。地域の主人公の我々が責任を持って次世代に渡すしかいないのだ。
前史としての「レインボ-プラン」があった。89年置賜でも開催された「ピ-プルズ・プラン21」をきっかけに町の生ごみを循環させて堆肥を作る仕組みを検討し、やっと96年に堆肥センタ-を建設するまでになった。町の消費者、店の店主、そして農民が協力して「レインボ-・プラン」が動き出し、認証シ-ルも創られた。
 消費者は田畑の健康を作る手助けをする生産者だ。そして農民は町の健康を作る生産者だ。ここには一つの仕組みを回す当事者としての関係が生まれている。そしてその人たちが、車の運転の出来る人は独居老人500人の足として助け合いに参加し、また農民は新規就農者研修をするようになった。

置賜自給圏構想に踏み出す

 レインボ-プランが歴史を刻む一方で、グロ-バリズムは、ブロ-バルな市場に依存しなければ生きていけない仕組みを作り出している。地域経済の退潮はどうにでもならないところまで来てしまった。国に頼ることは出来ない、置賜は置賜で何とかすべきだ。日本や世界のことまでは分からなくとも我が家のことなら分かる。地域の食をそうするかも手の内だ。農業を守ることは村を守ること、地域、消費者、住民の食といのちを守ることは一つのことだ。
 2012年、この取り組みは、人と人、人と地域、過去と今との新しい出会いから始まった。保守だ確信だの枠を超え、“違い”よりも“同じ”を見つけ、力を合わせようとする運動として考えられた。産業政策に偏りがちな行政に対し、産業政策だけでなく地域政策を、かつての藩の地域を身の丈の単位として考え、3市5町にまたがる「置賜自給圏」構想が産声を上げ、14年4月12日、上杉鷹山公の米沢市伝国の杜において「置賜自給圏構想を考える会」が発足した。設立総会には県、教育・農業関係者、国会議員、地方議員、生協、地域の企業や商業関係者などが集まった。
 今この自給圏構想は、「食と農をつなぐ」、「再生可能なエネルギ-の地産地消」、「森と家をとをつなぐ」、「教育ろ学びをつなぐ」ものとして歩みを始めたところだ。

菅野さんの話を受けて質疑に入った。

○ケアーや人口減についてどう考えるか?
 4つの自給を掲げて始まったばかりであり、当面地域の生活者の課題を可視化するだけの
実態を作ることに集中したい。飯豊町は全職員が参加、地域の人々が枠を超えて参加し、農で言えば市民皆農だ。

○自給圏の人口、単位となる風土の姿は?
 20万人が、四方が山の盆地で谷筋に集落、山と里がつながる旧米沢藩の範囲に共通の農業文化があるのでは?

○域内に工場は?
 小規模なコンクリ-ト工場がある程度で、工業製品は地域外から買わなければならない。

○県知事の姿勢が変わってきた要因は?
 参加する人々が大きな動きを作った実績と、複数の党の議員が呼びかけたことも大きい。

○川の流域で自給圏を考えることについては?
 地域内の内水面漁業は議論した経過があるが…交易を否定する訳では無く、足らざるを補
う立場で考えている。

○TPPの先には飢饉も考え得る、その時には略奪もあろう。考えの違う人をどう味方に出
来るか?
 地域では立場の違う人はすぐ分かる。しかし、大切なのは持てる力・要素を一緒に使って地域を作る、誰もが必要とされている、というところから始まる。排除したら何も出来ない。都会はどうするかは、都会で考えるしかないだろう。

○生協は参加しているが農協は?
 この集まりは社会運動だろう、として今のところ乗ってこない。

○米価運動が起きないのは何故だろうか?
 村と米とが結びつかず、少数のコメ農家の問題になってしまっている。

 (会場から:神奈川県の川崎で百姓をしているが、水田は自分のところだけになっている。
略奪が起きたら、周囲の仲間と輪を作るしかないだろう)

まだまだ質問は続きました。