TPP連続講座第2回目「かんぽ・共済も危ない!」レポート

連続講座「TPPでは生きられない!?―私たちの暮らしは私たちがつくる」の第2回は「かんぽ・共済も危ない!」というテーマで菊池英博氏(日本金融財政研究所 所長・経済アナリスト/ 元文京学院大学・同大学院 教授)を講師に、9月3日に開かれました。その主な内容をまとめました。

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【TPP連続講座第2回目】

連続講座「TPPでは生きられない!?―私たちの暮らしは私たちがつくる」の第2回は「かんぽ・共済も危ない!」というテーマで菊池英博氏(日本金融財政研究所 所長・経済アナリスト/ 元文京学院大学・同大学院 教授)を講師に、9月3日に開かれました。その主な内容をまとめました。

1.世界の大きな対立軸は?

菊地氏はまず世界での対立軸は「新自由主義・市場原理主義  対  生活第一人間尊重の考え方の2つのいずれかを選ぶかになっている」と語りました。さらに続けて「新自由主義は伝染病のようない勢いで世界中にひろがっている。」「フリードマンは富裕層に富を集中すれば全体が幸せになるという教えを説いた。新自由主義はデフレ、失業をもたらす。富を集中する手段として減税が進められた。カーター政権時代の所得税最高税率70%がレーガン政権時代はじまった頃に50%に下がった。最後には28%にさがった。レーガンで1985年債務国に転落。これは不幸のはじまり。アメリカ経済は破たんしGMや保険会社すべて政府資本でささえている。一方日本では81年中曽根首相がはじめて新自由主義的政策を推進していた。民営化などで独占企業は利得をえてきた。増税するかしないかは世界的対立軸となってきた。私はこれから日本国益尊重、人間尊重という価値観が重要になってくると思う。」と語りました。

2.日本政府によってつくられたデフレとその害悪

菊地氏は「実は政策的にデフレは引き起こされている。デフレはいくつかの面で発生した。」と語ってくれました。菊地氏は具体的に以下の通り、分析しています。

①財政デフレ 
プライマリーバランスの数値を閣議決定で定めた。緊縮財政が経済を冷え込ませた。

②リストラデフレ  
2003年に労働法制改革で解雇しやすいようにして、それが格差を広げ、消費を冷え込ませる要因となった。

③時価会計デフレ
会計方式をアメリカ型の時価会計として企業の体力が落ちる。評価が下がる。企業を救うには投資を呼び込むのには社員をクビにするといった具合に事態は悪化していく。会計方式変更で竹中金融大臣は意図的にUFJをつぶした。

それでは新自由主義のもとで日本はどうなったのか?菊地氏は「新自由主義は内需企業をつぶした。国内需要は圧縮されていった。一方で輸出企業、例えばトヨタは儲かった。」「現在では輸出企業が低迷期を迎え、デフレのうえに恐慌となり、税収が減った。民主党発足時、税収は46兆を予想したが、37兆にへった。結果的に2009年には税収を国債が上回った。格差拡大してきている。」と語りました。ではどうしたら恐慌から脱却できるのか?菊地氏は「思い切って内需拡大策しかない。2010年に鳩山や小沢は財務省=デフレ勢力によりつぶされた。今はデフレ勢力が政権をにぎっており、増税をきめた連中はデフレをつづけば良いと思っている。財政をきちっと出すしかない。」と力説しました。

3、新自由主義は人間を虫けらのように扱う

続けて菊地氏は「1997年に韓国で金融危機となりIMFの経済介入で緊縮財政・金利を上げろなどの政策を押し付けられ、銀行つぶれた。大手銀行などで外資が株式を保有し、支配下となった。」と外資支配の危険性を語りました。
  さらに「TPPを結べば憲法に優先する。もし憲法違反と最高裁に提訴してもむ無駄。これまでアメリカは『対日年次要望書』など圧力をかけてきたが、もしTPPとなれば協定なので強制力がある。TPPの狙いは金融資産であり、医療がウェイト高い。アメリカはがん患者つくってどんどん高い薬を買わせるを考えているのでは?まさに新自由主義は人間を虫けらのように扱う。日本のデフレ政策の背景には日本金融資産を日本のために使わせない、お金をあまっているようにして海外にもっていくという狙いがある。」「2010年時点で国債の30%は郵貯・簡保が保有している。小泉改革はこれを民営化し株を外資に売ろうとした。もし外資に持っていかれると金利があがる。国債暴落するだろう。新しい郵政改革法案で株式保有を全部2017年までに売るという期限を定めていたのが、期限規定をはずした。いずれ売却をせまられた時に備え、外資にもっていかれないようにしないといけない。」と語ります。改めてTPPの危険性を認識する事ができました。最後に菊地氏は「政治家が財務省をおさえなければならない。1932年高橋是清はデフレ政策から政策大転換を行った。今こそデフレ政策をやめ、財政出動しなくてはならない。グローバル化の時代だからといって、諦めず言うべきことを言っていきたいと思う。」との言葉で締めくくり、政策転換を強く訴えられていました。TPPに反対する人々もグローバル化による暴力が私達の暮らしを破壊するのに反対し、運動を進めてきました。菊地さんの熱いお話から、諦めないで活動を続けることの大切さを学び、勇気を頂けたような気がします。(まとめ・金靖郎(TPPに反対する人々の運動))

<講師>
画像菊池英博(日本金融財政研究所 所長・経済アナリスト/ 元文京学院大学・同大学院 教授)