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zoom RSS リ−スバ−グの近況をレポート─第14回TPP交渉会合が修了

<<   作成日時 : 2012/10/19 06:53   >>

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 USTRは10月5日、リ−スバ−グ第14回TPP交渉会合の市民団体向け説明会を開きました。今回はその報告書を入手し、全文翻訳しました。
 進展した事項の内容は抽象的ですが、残る課題・争点などは質疑応答の中からうかがい知ることが出来ると思います。
 問題だらけですが、USTRでさえ、毎回必ず案内を出して説明会+質疑応答をしていることは、日本の「情報を国民に開示し、国民的議論の中から、国益に沿って判断」とは大きな違いです。米国では軸足は別々のところに置いていても、声のやりとりは直接のパイプを往来しています。(翻訳:清水亮子、小幡詩子 監修:廣内かおり)

☆ ★ ☆

米国通商代表部TPPブリーフィング
2012年10月5日午前10時


最新情報
《リースバーグ・ラウンドに先立ち、多くの高級官僚が準備のためアジアに渡航》
・ カーク大使は8月、カンボジアでASEAN閣僚会議の終わりにASEAN諸国の閣僚たちと会合を開催。
・ ベトナムでは、TPPに関係のある閣僚たちと複数回にわたり会合を開催。

《ウラジオストクでのAPEC 会合》
・ 進展状況を確認し、閣僚たちと会う機会になった。
・ 閣僚たちはTPP交渉担当者らに、交渉中の問題について、建設的且つ現実的な解決策を迅速に見つけることに全力を尽くすよう伝えた。

《カナダとメキシコの合流》
・可能な限り円滑、迅速な統合が求められる。

《リースバーグ》
・市場アクセスの章を進めつつ条文をできるだけ完成に近づけることを目標とした。
・(各国の)相違は着実に小さくなりつつある。
・ 多くの章で大幅な進展がみられた。プレスリリースに列挙されている。
・ 原産地規則、税関手続き、SPS(衛生植物検疫)、TBT(貿易の技術的障害)、貿易救済措置、越境サービス、政府調達、透明性、競争政策、開発、労働その他
・ より困難な問題に関する溝も埋まってきており、まさに予定していたところまで進んでいる。未解決の課題はだれの目にも明らかで、解決策を見つける必要がある。これからの数か月で取り組む。

《作業の必要な章は、まだ、かなり残っている。これまでの交渉会合でも時間を要した章である》
・ 知的所有権:(Burcu氏を見て)これについては後ほど。
・ 環境: 他の章と比べて歩みは遅い。とても長い章で多くの新しい要素が含まれており、各国がまだ評価中のためである。

《投資の章》
・うまく進んでいる。長い章ではあるが、特に問題があるようには思えない。とにかく長文のため時間がかかる。

《関税交渉》
・ 最も重要な関心事項に関する問題は除き、かなり進展している国々もある。
・ ある国については若干遅れが生じている。どこの国かは想像がつくだろう。

《不適合措置サービスの進捗》
・ 初めて(誰にとって?)ネガティブリスト(※注:原則的に規制せず、例外(的に規制する項目)を列挙する書き方)を使って交渉が行われている。我々が考えている通りに草案にきちんと反映させるための技術的な方法を検討中。
・ ポジティブリスト(※注:原則的に規制し、例外(的に規制しない項目)を列挙する書き方)からネガティブリストに変える場合、起草の方法から再考しなければならない。

《政府調達についても簡単に議論された。ほとんどの時間は条文に費やされた》
・ 利害関係者の日
・ 500人近くが参加登録。実際に何人が参加したかは分からない。
・ これまでの交渉会合に必ずしも参加していない人々も数多く参加。米国だけではなく他国のチームにとっても、米国や他の国々の関係者から異なる見解を耳にする機会があったのは有益だった。

今後のうごき

《カナダとメキシコについて》
1) ヒアリング
・ 実際に証言する人々よりも多くの意見があった。
・ これは典型的 – 長年にわたる関係性の表れであり、人々はすでにこの問題をよく知っている。

2)カナダとメキシコは来週中に正式な交渉参加国となる。
・ 条文を入手し、12月までに行われるあらゆる活動に参加することになる。
・ できるかぎり、精力的かつ迅速に様々な国と協議し、その準備のために2国間でも会合を開く。
・ スムーズに合流できるよう、我々としてもあらゆる手段を尽くすことが重要。
・ 2カ国が慣れるために交渉会合の時間を全て費やすようなことは望まない。

《対案》
・ 我々が提案した問題について、対案、新しい条文、あるいは修正提案を検討しているものがある。
・ 12月のラウンドでこれらを進展させる。
・ 未解決問題をすべて議論することはなく、いくつかの問題について議論を続ける。

《12月の交渉会合までに》
・ 懸案事項を見極め、今後数か月の間にどのようにまとめることができるのかを考える。
・ 各章を進めるためにやるべき作業がたくさんある。個別具体的な問題について、多くの国々と2国間で(解決に)当たらなければならない。
・ そうした国と解決策を打ち出す方法が見つかれば、我々はその問題を交渉のテーブルに戻すことができる。

質疑応答

Q(質問): 附属文書にはどのような進展があったのか?
A(回答): 附属文書についてはいい議論があったが、妥結するにはまだ作業を要する。これまで、ほとんどの時間が本文に費やされ、附属文書の詳細を議論し始めたのはここ2〜3回の交渉会合のみ。本文の問題が解消されつつあるので、いま、付属文書に注意を向けはじめたところである。

Q: (アメリカン大学): 前回の交渉会合で著作権の制限と例外まで議論が進んだのか、また、12月には知的所有権の章の中でどのような問題が議論されることになるのか?
A: ほとんどの時間を商標とGI(地理的表示)の議論に割いたが、一般条項に関してと、少しだが著作権と例外についての議論があった。次の交渉会合でも同じ問題が議題にあがると思われるが、まだ決まっていない。

Q: (パブリックシチズン):では、12月に特許の議論はないのか?
A: まだ決まっていないが、私はそう理解している。

Q: (パブリックシチズン): それでは何も提案しないということか?
A: 私たちは今進行中の作業に集中している。ご存じのように、皆さんの知らないうちに何かを提案することはない。内部の議論が終わった時点で会議を招集しお話しする。まだ準備ができていない。

Q: (Public Knowledge):いくつかの章の 対案について触れていたが、知的所有権と著作権に対案はあるのか?
A: まだカッコ(※未定の文言)がある章については対案を協議することはない。特許権について何か違う提案をするのか、また修正案にするか、対案にするかなどは今後決定する。未解決の問題やカッコが残っているすべての章について、相違点を埋めるためのなんらかの提案をしなければならない。これまではGIと商標について議論してきた。文言については溝をなくすための妥協もしてきた。対案になるかはわからないが何らかの提案を出し、妥協点を見いだせるよう努めていくつもりだ。

Q: 対案は米国から提出されるのか、他の国々からも出されるのか?
A: どの国もあらゆる未解決事項についてそれぞれ言いたいことがある。あるいは我々がだれかほかの誰かの提案を支持することもあるだろう。

Q:「税関手続き」の章について現在どこまで進展しているのか?「税関手続き」の章に、繊維および衣料品の項目が入るのか、それとも付属文書になるのか?
A:これまで繊維は「税関手続き」の問題としてではなく、別の分野で議論してきた。「税関手続き」の章は進捗が早く、各国が持ち帰って検討する事項がいくつか残っているだけだ。特に、急送便については顕著な進展が見られた。他の問題に比べ大幅に進んでいるわけではないもののかなりうまくいっており、このまま妥結に向かってほしいと願っている。

Q:他のTPP交渉国によって認められているUSCT Pat プログラムのような、信頼できる貿易事業者プログラムの相互承認について話し合いはあったのか?
A:わからない。確認の上、折り返し連絡する。

Q:(パブリックシチズン)リースバーグ・ラウンドの利害関係者説明会で「RDC(鉄道開発コーポレーション)対グアテマラ」判決がもたらす影響についての質問があった。裁判所は訴訟事件摘要書の中で、公正で公平な扱いを裁定する国際慣習法を構成しているものに関連して、米国側の申し立てを棄却したことから、当判決の影響(含意)について(どう思うか)という質問だった。あの時、USTR(米国通商代表部)は当判決について検討中であるとの回答だったが、以降、より多く検討する時間があったはずだ。TPP投資交渉でどのようにこの問題を考慮するか、何か洞察は深められたのか?
A:議論を重ねてきたがまだ決着していない。検討中だ。

Q:(シエラクラブ) ご承知の通り、「投資」の章は地元の環境や健康を守る政府の権能を弱体化させるのではないか、という懸念がいまも大いにある。TPPには、その他の米国FTA同様に「例外」の章があるものと理解している。これまでの米国FTAはGATT第20条(関税と貿易に関する一般協定)もしくはガGATS14条(サ−ビス貿易に関する一般協定)の例外規定を「投資」の章に適用させなかったが、米国が今までの方法と決別し、健康と環境の例外規定をTPP「投資」の章に適用させることを前向きに考える、という可能性はあるのか?
A:現時点では我々の提案には含まれてない。

Q:(シエラクラブ) 健康と環境の例外規定については、議論されてきたのか?米国が考慮する可能性はあるのか?
A:この件については十分に議論し、必要ないということで一致した。

Q:(シエラクラブ) 現在進行中の非公式中間会合、もしくは予定されている会合はあるのか?カナダとメキシコは含まれるのか?
A:メキシコで規制制度間整合性および開発の横断的問題に関する中間会合が予定されている。日程についてはまだ詰めているところだ。メキシコとカナダは来週の時点で、すべて(の協議)に加わることになろう。

Q:(Burcu Kilic、パブリックシチズン) 2013年について、予定は?
A:来年の1月か3月に暫定的に計画されている中間会合があるが、会合であれ中間会合であれ、具体的な計画は立っていない。交渉国のことを考えると1月は難しいかもしれない。こうしたことも12月に決定するだろう。

Q:(パブリックシチズン) 交渉会合の日程についてはどうか?
A:お知らせできることはない。

Q:「原産地規則」の章は輸入関税の還付問題を扱うのか?
A:扱う。この章の未解決の問題の1つである。

Q:議論されるのだろうか?
A:議論する。交渉会合では毎回議論されているが―まだ、未解決である。

Q:(パブリックシチズン) SOE(国有企業に関する)条文について支持がないと聞いているが、SOE条文は米国にとって最重要事項なのか?SOE条文の核心的内容は何か?
A:我々は「一時的入国」の章の交渉に参加しているところだ。手続きについて議論しており、市場参入についての議論ではない。これらは、相手国が参加することになる一時的入国の第4モード市場アクセス(※サービス貿易の4様態のひとつ。加盟国のアーティストなどサービス提供者が他の加盟国に行き、サービスを提供する様態)について規定している付属文書とは別個のものである。市場アクセスに関する約束の具体的な段取りについてはまだ合意していない。米国は連邦議会によってこの10年間、市場アクセス交渉を禁じられてきた。このことは交渉を始める前から知られており、そのようななかで我々は進めている。

Q:(アメリカン大学) 交渉のテーブルにのせられている制限と例外に関する提案について交渉国からの反応はあったのか?また、この分野は円滑に進んでいるのか、それとも論争があるのか?
A:今回のラウンドで、最初の協議があったばかりだ。現時点で敢えて論争があるとは言わないが、まだほとんど進んでいない。

Q:(パブリックノレッジ) USTRはTPPに大統領貿易促進権限(TPA)を求めるかどうか決定したのか?
A:この件について、現段階では詳細を話し合っていない。然るべき時に進めるつもりだが、まだその段階ではない。

Q:( パブリックノレッジ) 「然るべき時」が意味するところをピンとくるように言ってほしい。
A:政権が今こそ最適と決断する時だ―それは政治主導の(政府高官による)政策決定である。

Q:(パブリックシチズン)  生物製剤の独占権は暫定的に入ったものだったが、提案事項の一部にするのか、それとも「12年(への特許期間延長)」を交渉のテーブルにのせるのか? 毎日のように「12年」についての記事や論説が書かれている。USTRはTPPで「12年」を提案するつもりなのか?
A:何通Eメールをもらったとか、そういう類の問題ではない。いずれ、協議をして決定することになる。(回答したくないようだ)

Q:(ジェサ・ベイナー、パブリックシチズン) SOE(国有企業に関する)条文への支持がないと聞いているが、SOE条文は米国にとって最重要事項なのか?SOE条文の核心的内容は何か?
A:交渉における私たちの立場を知りたいということか?確かに米国にとっての優先事項である。これが今私にできる唯一のコメントだ。

USTR担当者:こんなところかな
バーバラ:そうですね、前回の埋め合わせでしょう

(翻訳:清水亮子、小幡詩子   監修:廣内かおり)    

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