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zoom RSS 【海外情報】米国戦略国際問題研究所(CSIS)の講演会記録から見るTPPと米国の通商について

<<   作成日時 : 2012/05/03 16:31   >>

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戦略国際問題研究所(CSIS)の講演会記録メモを入手し、翻訳ボランティアチ−ムで翻訳をし、掲載します。(翻訳:清水亮子、戸田光子)

☆ ★ ☆

主題:TPPと米国の通商について(パブリックシチズン出席者メモより)


2012年4月6日の米国戦略国際問題研究所(CSIS Center for Strategic and International Studies)講演会の記録(歴代の米通商代表の講演概要)

1.マイケル・カンター(元米通商代表1993〜97、商務長官96〜97)
・ 今後4年間米国の通商上の課題を未決のままにしないための提案について発言
・ タイ、ビルマ、インドネシアなども、TPP参加国と考えるべき。

2.カーラ・ヒルズ(元米通商代表1989〜93)
・ 好ましい通商協定(多国間)には5つの戦略目標がある
1)グローバルな市場を開放
2)世界の貧困の削減(米国の貧困削減目標に資する)、(世界貿易の増加は貧困を
削減する)
3)安全保障の向上
4)貧困な国々の米国流のシステムへの統合
5)法に基づく規則と透明性の強化

・ 地理的に包含できる範囲はかなり限定されるため、このような目標を達成することは容易ではない。しかし、充分な支援と成長があれば、前に進めることは可能である。
・ TPPは現政権が交渉している唯一の貿易協定である。
・ 目標は、太平洋地域の自由貿易圏を統合することであるべきである(現在は9か国のみだが、拡大を期待している)。
・ メキシコ、日本、カナダも参加を希望、しかしそのことはある種の“重し”となるかも知れな

・ TPPが小さいことによる4つのリスク
1)アジアを単一の貿易圏にすることができない
2)アジアの最貧国を貿易から置き去りにしてしまう。
3)10ヶ国からなるASEANを分断することとなる(米国は多くのことをASEAN10と協議してき
た)。
4)中国が参加していないため、(TPPに対して)対抗的な別の貿易圏を生む可能性もある。

・ 米国‐EUの通商協定を検討するグループも存在している。
・ 議会との情報交換と調整が通商協定を成功させる上で役に立つはず

3.クレイトン・ヤイター(元米通商代表 1985〜89、農務長官89〜91)
・ 多国間での農業問題(TPPにおける扱い)への支持と貿易への精通がTPP協定の成功のために重要である。
・ (しかし)日本が参加するまでは、TPPを持続可能にするために必要なアジアからの農業問題への支持は充分に得られないだろう。
・ TPPの果実が実るには、更に多くの参加国が必要だろう(タイとインドネシアの参加が求められる)。
・ ロシアのWTO加盟は重要である。
・ 貿易(自由化に伴う影響)関連のコストがどの程度となるかは現時点では不明である。
・ TPPが現状のままであれば、貿易のゆがみは減るより増える可能性が高いだろう。
・US-EU貿易協定にも賛成である。

4.ウィリアム・ブロック (元米通商代表 1981〜85)
・ USTRが近い将来、大統領府を離れることはないだろう。国内にいかなる政治的見解があったとしても。(その独立性と権限の強さに対して、USTRの格下げ論が時に議会から出ている)
・ 米国は経済的観点から模範{もはん}を示し、引っ張っていく必要がある。{しどう}
・ TPPに関わる各地域の政治的立場を理解することが、どのような協定を取りまとめるにしても必要である。
・ アジアの最貧困地域には製造業がほとんどなく、政府内には巨大な官僚主義が存在している。
・ エジプトは世界中の国で最も経済的失敗のリスクが高い。したがって自由貿易協定を支持することができない。
・ エジプトとアラブの春を成功させるためには、米国は多くの努力と資金を投入しなければならない。
・ 最も重要なことは、米国による投資を支援することと、当外国におけるの自由の確保を支援することである。

5.シャーリーン・バーシェフスキー(元米通商代表、1997〜2001)
・ 貿易がなければ、国内の平和も安定もない
・ 情報技術協定、あるいはグローバル経済の中での新しい分野における協定と同様に、電気通信についても更新されるべきである。
・ サービス関連では、取り組まれる必要があるのは、二つのことだけである。
・ 米国が行うべき最も重要なことは、国際通称戦略支援のために自国の問題を解決することである。
・ 中国と米国の知的財産の取り扱いは、新たな革新的知的財産を見据えて刷新されなければならない
・ 2050年に向けた中国の計画
1)研究施設を急速に商業的なものにすることより、科学の分野で更に強力になる。  
2)最初の産業革命では遅れを取ったものの、第二の産業革命では先頭に立つ。
3)様々な分野に焦点を当てる、技術そして知的財産
4)第二次五か年計画が示す国家的な強い技術指向

・ この計画の問題点は、技術革新の格差とIT格差が大きいため、計画を実行できないかもしれないという点である。
・ 中国は技術を創造するより吸収する方が得意である。
・ 米国は中国とかなりの対話を重ねてきたが、WTOには米中間の通商に必要な二国間の相互投資の考えが欠けている
・ ITと技術に重点を置いた条約を中国と結ぶために急ぐことが、米国にとって重要である。

6.スーザン・シュワブ(元米通商代表 2006〜09)
・ DOHAを又繰り返すことは、途上国と先進国の意見の相違を生むだけである。
・ 世界中で行われている二国間協定から最も痛みを受けるのは小国である。
・ TPP交渉の難しい点は、既にある前例と権限委任とが適切でないことである。
・ 統一的で、より簡素で、非排他的なWTOのような原産地規則が作られるべきである。
・ 透明性が必要である。
・ ロシアのWTO加盟が米国にとってよいことなのか、今のところ不明である。(重要な質疑応答)
Q:貿易問題への大統領による支持について皆が言及した。聞き手にとってもっとも耳を傾けるべき点は何か。
A:雇用。貿易は世界中で雇用を創出する。他の多くの国にもまして米国では経済が好転する。世論調査の結果は、NAFTAが広範に支持されていることを示しており、多くの場合は超党派で支持されている。
Q:エネルギー需要の米国内における大規模な転換によって、米国の貿易の優先順位は変わるのか。
A: 米国は今後も長期にわたって化石燃料に大きく依存することになる。貿易相手国を変更して、過去数十年においてあまり貿易を行ってこなかった国、あるいは米国と関係の薄い国々とも貿易を行うことになるかもしれない。
Q: TPPには相矛盾する優先課題がある。今年は現状のままで終わるか、それともメキシコ、日本、カナダを参加させるか、だ。これらの優先課題を交渉担当者はどのように取り扱うべきか。
A: 交渉のスピードが落ちるだろうから、今年中に終わらせることはできない。これらの国々の参加は、TPP交渉を前進させるための喫緊の優先課題になるはずである。貧困国から貿易が離れれば、経済がより悪化するだけだ。もっと開かれた構造と門戸開放のための譲歩がなされるべきである。
Q: 議会にTPPの刷新を支持させるのは選挙の年における目標なのか。
A: 私たちは、TPPを議会に向けて強調しなければならない。なぜなら目下、今年の終わりまでに何かを変えることに関心が向けられていない。諸外国は、貿易と投資による富がどこかに行ってしまうことに大きな拒絶感を持っている。選挙の年だからといってTPPの変更と中国との貿易の前進をスローダウンすべきではない。
Q:もしWTO非加盟の地域との間に貿易を実施することについて緊張が生じた場合、どうするのか。
A: 関税が低いほど成長は大きい。米国は可能な限り低い関税と緩い規制を模索する必要があり、WTOにおいて交渉し、このような考え方の妥当性を高める。新たに提案されているTPPにおいて既に参加国である9ヶ国にとっては、交渉がうまくいけば非常に有益なはずである。インドネシアと日本が参加に難色を示しているのなら、彼らの参加は見送る必要があるかもしれない。日本はTPP加盟が許可されるまでに貿易慣行を変えることに前向きにならなければならない。
Q: TPPにはローカリゼーション要件があるが、多くは時代遅れとなっている。この点で役立つためにTPPはどのように変わるべきか。
A: 簡単な答えはないが、知的財産権は(※権利の保護、物事の限定・規制などの所謂)ローカリゼーションに資する主要な要素である。経済的に効果があり、さらなる世界貿易を必要とする企業を支援する、WTOを超えたルールに対する理解が必要である。

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