「TPPに反対する人々の運動」

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zoom RSS JAPAN SESSION報告(APEC報告集4)

<<   作成日時 : 2012/01/02 10:50   >>

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 私たち「TPPに反対する人々の運動」は、メイン会場での会とは別に独自セッションを設け、3月11日の東日本大震災と「震災復興」の名の下に進められる新自由主義的復興計画の動きを発表し、参加者と震災復興やTPPなどについて意見交換をした。

 開催時間はメイン会場のスケジュールに合わせ、昼休憩中にスタートした。メイン会場に看板を設置し、チラシを撒いたところ40人ほど収容可能な学習室に30名弱が集まり、中には『異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ』(農文協刊)の著者で、ニュージーランド・オークランド大学のジェーン・ケルシー教授の顔もあった。まず登壇した共同代表の天明伸浩氏は「TPPに反対する人々の運動」の設立経緯を説明した上で、「震災を期に進められようとしている復興計画は、TPPを導入する際の農業・漁業の構造改革論と同じ方向性です。経済至上主義は生活の破壊と不安定化を招きます。まずは人々が安心できる暮らしを再建することを考えるべき」と、3月11日以降進められている新自由主義的復興計画と、震災に乗じたTPPへの批判を展開。そして、「私たちは経済発展を最優先するのではなくて、安心して日々暮らすことを最大の目標にします。そのためにも地域の資源や人の暮らしを大切にする循環型の社会を作る必要があります。TPP的なグローバリゼーションではなく、世界中の人々が安心して暮らせるグローバリゼーションを作る先頭に日本が立つことが、311を経験した日本に課せられている責務です」と自分たちの立ち位置を説明した。大野和興氏は東北地図を広げて311の津波被害や被災者の状況を説明し、続く山居氏、市村氏はそれぞれ農業、労働分野からのTPP反対論を参加者に訴えた。
 後半の質疑応答では原発事故に関する質問や、TPPに対する意見、反対運動をどう展開していくかなど様々な声が寄せられた。「各国の独自ルールを外国、特に米国企業に決められてしまうのがTPPです。TPPの目的には『公衆衛生政策』や『資源の所有権』など通常のFTA(自由貿易協定)では対象にならなかった分野の自由化が含まれています。TPP参加で影響を受けるのは日本の人々で、震災で被災した地域の復興にも影響が出るでしょう」と言うのはケルシー教授で、震災復興に乗じた日本のTPP参加に懸念を示した。

 米国でTPPや反グローバリズム運動をけん引している団体「パブリック・シチズン」のロリ・ワラック氏も参加し、「TPPは私たちそれぞれが持つ文化や社会システム、生存権への攻撃です。企業の力を最大限発揮するTPPは農業だけでなく、医療、保険、その他多くのことを破壊します」と企業の意向が人々の暮らしに直結する問題点を述べた。

 ワラック氏は前出の『異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ』にも執筆者として名を連ね、その著書の中では北米自由貿易協定(NAFTA)を引き合いに昨今の自由貿易協定を説明してきた。「NAFTA合意や1995年WTO協定といった貿易合意は関税や輸入割当に焦点を当てている過去の貿易協定の境界を越えて、投資、政府調達、サービス部門の規制、製品や食品の安全基準、特許政策等貿易政策以外の一連の国内政策に関する法的制約をも含めることとなった」(同p60)と指摘し、「NAFTAやWTOが発行して以降の負の遺産」の具体例として「米国内での製造分野での500万人の失業」「平均賃金の低迷」「米国の貿易赤字は1020億ドルから最高8070億ドルに拡大」などをあげてきた。

 2010年10月1日の菅直人前首相所信表明演説以降、日本国内のTPP推進派は自由貿易がバラ色の世界をつくり出すかのような論理を展開してきた。ワラック氏はNAFTA合意以前の米国と現在の日本を照らし合わせ、「TPP交渉に参加すれば日本で起こることは想像できます。単なる貿易だけの話ではなく、影響が出るであろう多くの人々に伝えることが最も重要」と日本のTPP参加に警鐘を鳴らしながら、今後の反TPP運動に不可欠な要素を指摘した。

上垣喜寛(TPPに反対する人々の運動・事務局)

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