「TPPに反対する人々の運動」

アクセスカウンタ

zoom RSS APEC・TPPに反対する市民派遣団に参加して(APEC報告集7)

<<   作成日時 : 2012/01/07 10:07   >>

トラックバック 0 / コメント 0

APEC・TPPに反対する市民派遣団に参加して

画像


 TPPについては、多くの人が「よく分からない…」と言う。同じ言葉の「分からない」でも、中身は千差万別だ。「解らない」人から「判らない」人までいろいろだが、その多くは「解らない」からであろう。まして素人には尚更だ。私達は農政は専門家のつもりでいるが、TPPは外交交渉でもある。私達は外交は門外漢だ。つまり素人だから分からないことが多すぎる。
 だからと言って私達農業セクターが「判らない」と言うことはない。TPPによって農業が損か徳かと言えば圧倒的に損であるからだ。だから私たちがTPPは反対だ!と言うのは当然である。そして国民の大多数が農民であるならTPP反対が国論となるのだが、そうでないところに政治の難しさがある。それは農政に限らない。多種多様な職業を持って構成される国家や社会では、ものごとをしようとすれば、必ず損得が発生するからだ。得をする人はそれに賛成するし、損をする人は反対する。それは道理である。

<教訓を活かした運動を>
 ただ、運動をするにしても過去の教訓を活かす必要もある。米の市場開放が議論されたガット(WTOの前身)ウルグアイラウンドでの一大運動が思い出される。このラウンドでは、「例外なき関税化」が大命題であったが、1995年(平成7年)日本は米の関税化を拒否し、ミニマムアクセス(最低輸入量)方式を選択した。ところが日本は3年で80万トンもの輸入量を課せられた。更なる輸入米の増加を恐れた日本は、急きょ関税化を受け入れることにした。しかしながら国際ルールでミニマムアクセス米(MA米)の返上はできない。結果として米の関税化にMA米のおまけが付いた。最悪の選択を日本はせざるを得なくなった。それは今でも続いている。

<ガット─最悪の選択>
 この交渉を前にして、日本の国論は「一粒たりとも米は入れない!」一色であった。この空気に押されてか、日本は事実上ガットでの農業交渉の主導権を取れず、最悪の結果まで招くことになった。交渉結果が気に喰わない、受入れられないと言ってガットから離脱する。場合によっては鎖国も辞さない!それができ得るなら問題は簡単なのだが、できないところに難しさがある。
 日本は、最悪の選択を打ち消そうとするかのように、国内対策としてウルグアイラウンド対策(UR対策)に6兆100億円の大金をつぎ込んだ。しかし今、そのUR対策はほとんど忘れ去られている。「あのカネはどこに行ったんだろー」大部分が土建屋に流れたと言われている。つまり農家の手元には残っていない。
 「あの時、農家の所得対策に回しておけば…!」今で言う戸別所得対策。6兆円もの大金を当時つぎ込んでいたら今の農政は大転換していたかもしれない。当時を知る人ぞ知る反省の弁である。

<国益をかけた主導権争い>
 TPPで「参加、不参加」が議論になっている。「交渉ごと」の原則からすれば、そこに参加していなければ自らの主張が反映されないのは自明である。TPPの問題は、それに参加するにふさわしいか否かが問題になっている。私達農業セクターは参加するに「ふさわしくない」と反対している。
 政府筋は「参加したい」意向を表明した。それを受けて?各国がただちに反応した。APECを前にカナダとメキシコが参加したい旨を表明した。引き続くASEAN首脳会議、東アジア首脳会議では、それぞれの枠組みでの自由貿易協定が、大きく前倒して協議することになった。加えて中国がTPPに揺さぶりをかけてきた。各国の思惑と貿易・外交交渉での主導権争いがにわかに速度を増してきている。
 政権を批判するメディアや自民党の一部には、TPPでの野田政権の対応が「二枚舌」だと批判するが、外交はそれほど単純ではない。交渉と訳されるネゴシエーション。そこは「だまし合い」と「化かし合い」の世界である。ましてや国益と国益がぶつかる外交では二枚舌も二枚腰もある。ごまかし合いも日常茶飯事である。日本の交渉団が「二枚舌」は間違いだから「一枚舌」に、と言ったらその時点で笑い者扱いになるであろう。
(全日農機関紙「農民新聞」寄稿文より)

全日農中央常任委員
宮崎まっすぐ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
APEC・TPPに反対する市民派遣団に参加して(APEC報告集7) 「TPPに反対する人々の運動」/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる